Tardeagua

Tardeagua「intencion」（2016年）

　アルゼンチンはエントレ・リオス州の州都パラナ出身（パラナ川中流域、いわゆる川沿いの音楽の地域）のメリーサ・ブディーニvoと、アンデス山脈の麓の高原地帯メンドーサ出身のセバスティアン・ナルバレスgのデュオを中心に、レアンドロ・パレスpercとガブリエル・ナルバレスbが色彩を添える、アコースティックなフォルクローレ・ユニットのTardeaguaのデビュー作。伝統的な響きを大事にしつつ、コンテンポラリーな曲作り、アレンジを施した傑作です。出だしの音を聞くと、以前紹介したMaterere Trioにも通じるものを感じます。

　メリーサは1984年生まれ、14才から歌を始め、大学では歌だけでなく作曲も学んだようです。このアルバムの最後の曲を除いて、共作も含めすべての曲作りに関わっていますが、伝統的かつコンテンポラリーで叙情的な曲作りのセンスが光っています。歌手としても2006年頃から様々なユニットに関わっていたようで、Carlos Aguirre Grupoの2008年作「Violeta」ではコーラスで参加していたそうです。

　セバスティアンは見かけゴツくて怖そうなのですが、とても繊細で美しいフォルクローレに根ざしたギターでメリーサの歌をしっかり支えていて、時折メリーサとハモる声も優し気です。

　m-3のチャマメでは鳥のさえずりなども聞こえ、長閑な雰囲気が伝わってきます。m-5では歌とギターが会話するかのようです。こんな素敵なギターを目指したいものです。m-9のサンバ（Zamba）やm-10のチャカレラでは瑞々しく力強いメリーサの歌と、メリハリのきいたセバスティアンのギターに脱帽です。YouTubeの映像にもあるm-12「Tonada para un amigo viajero」（旅する友の歌）で二人で寄り添って歌う様子にすっかり参ってしまいました。素晴らしいアルバムです！

■ personal

Melisa Budini (Voz, accesorios en 1-2-3-4-6-8, caja bagualera en 4, kalimba en 2).

Sebastian Narvaez (Guitarra, voz en 2-4-5-12-13, accesorios en 4-6, cuatro venezolano en 6)

Leandro Pares (Percusion en 2-3-4-6-8-9-10 , accesorios en 6, pandeiro en 8)

Gabriel Narvaez (baby bass en 2-3-4-8-9-10, coros en 4)

■ guest

Marcelo Narvaez (percusion en 1)

Ernesto Perez Matta (kalimba, karkabas, timbre, rama y platos en 7)

Maria Eugenia Moreno (flautas traversas en 8)

Beatriz Plana (flauta baja en 11)

Tardeagua - Duendecitos (Melisa Budini)
Flores (Melisa Budini/Sebastian Narvaez)
Tarde Islera (Morino Frezetti/Melisa Budini)
Noche (Melisa Budini/Sebastian Narvaez)
La Fuente (Melisa Budini/Sebastian Narvaez)
Mananita (Malisa Budini)
Luna Nueva (Melisa Budini)
Tu Mañana (Melisa Budini)
La Estrellera (Melisa Budini)
La Llorona (Melisa Budini)
Viento (Melisa Budini)
Tonada para un amigo viajero (Melisa Budini/Sebastian Narvaez)
Arbol Vida (Melisa Budini/Sebastian Narvaez)
Corazones que vuelan (Elisa Sarrot)

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