Raly Barrionuevo/CHANGO(2014)
Raly Barrionuevoは1972年生まれ、アルゼンチン北部内陸のサンティアーゴ・デル・エステーロ州出身で1990年代から新世代フォルクローレの旗手として活躍して来たシンガー・ソング・ライターとのこと。Latina誌4月号の新譜紹介の太田美加氏のレビューを読んで興味を持ちました。このアルバムでは自らの曲ではなく、フォルクローレの偉人チャンゴ・ロドリゲス(1914-75)の作品をカバーしたものです。正直、これまでラリ・バリオヌエヴォもチャンゴ・ロドリゲスも認識していなかったのですが、 一曲目の「Zamba de abril」(4月のサンバ)で惹き付けられて、二曲目「Corazón santiagueño」(サンティアーゴ・デル・エステーロの心)のチャカレラでもう完全に魅せられました。ギター一本での弾き語りが、なんともすんなりと心にしみ込んで来ます。カバーとは思えない、まるで自作曲を自演しているかのような自由さ。力の抜けた歌声と、ギター一本で自在に繰り出されるリズム。太田美加氏のレビューの結言、「~しみじみしたラリの歌声が美しく、ただ聞き惚れてしまう。繰り返して聞きたい、宝石のような名盤である。」に激しく同意します。なんだかちょっと変わったCDジャケットもおもしろい。CD一枚の価値をホントに感じます。超お奨め盤です。