1. Solitude 4’23”
2. Jardineiro 5’31”
3. Sprout 3’13”
4. GRANA 3’48”
5. HANASAKI 3’48”
6. Aire 3’52”
7. 果てから 3’19”
8. Stay at home in May 3’21”
9. Monochrome-I 3’51”
10. Monochrome-II 3’37”
11. Monochrome-III 4’21”
All the compositions by Eiichi Akiyama.
Recorded at the personal studio, Kanagawa, Japan, during 15 April~4 June 2020.
Guitar: José Yacopi(1969) of 1.~7., and José Ramirez 1a (1974) of 8.~11.
Self-produce by Eiichi Akiyama. All rights reserved.
Photography by ShoichiAkiyama
2020.7.1 発売(自主制作CD-R) ¥1,200
お求めになりたい方は「ASK」よりその旨お問い合わせ下さい。販売の詳細をお知らせ致します。
2020年、全世界で猛威を振るう新型コロナウィルス(Covid-19)感染症の影響でこれまでの政治•経済•教育•福祉、生活様式、文化芸術スポーツのすべてが大きな影響を受けました。日本では4/7から5月下旬まで緊急事態宣言が発令され、外出自粛、人との接触を最大限に減らすことが各人に求められました。
多くの音楽家は演奏機会や指導の場を失い、経済的に、精神的に厳しい状況にあります。同時に、演奏という価値や形態が、社会の中で画一的に捉えられていることに愕然としました。スポーツの喪失がマスコミに大きく取り上げられるのに対し、音楽や演劇は一部著名人を除き、置いてきぼりにされた感があります。
そんな自粛生活の中で、以前は当たり前にできたことが不自由になりました。仲間と演奏したり作品を作ること、会いたい人に会えることが如何に有り難い、大切なことであったかを痛切に感じています。一方、自分の音に向き合う時間が増えて、今更ですが自分の音楽というもの見つめ直しています。恐らく同じように感じている、また同じような動機で自分の音楽を形で残そうという音楽家も多いのではないかと思います。
善し悪しはともかく2020年4月に自分にしか表せないギターミュージックを作ってみたいと思い、5月〜6月にかけて自分の音を残してみました。耳を傾けて頂ければと思います。(2020.6.26 秋山映一)
曲解説
Solitude (2020.3)
2020年3月初旬、未だ日本では新型コロナ感染症の怖さが実感できずにいました。3月半ばからライヴが中止されるようになってきました。そんな時期に書いた曲です。合奏できない中、Solitude(ひとりの時間)に向き合い、音の少ないシンプルでギターの響きを引き出す曲を目指しました。
Jardineiro (2015.6)
2000年からお付き合い頂いているK氏、シンプルで力強いビートが持ち味の大好きなベーシストの一人です。植木屋(Jardineiro)さんを経営されているK氏のために書きました。フォルクローレのリズムを模倣して、リズミカルなハサミをイメージしたギターミュージックになっています。
Sprout (2017.8)
前掲のK氏、体を長年酷使してきたために腰や肩はガタガタだそうです。彼は2017年に肩の大きな手術を受けて、しばらく仕事や演奏ができなくなったのですが、手術が成功し、リハビリに励み、また一緒に演奏できるようにと願いを込めてSprout(芽吹き)を書きました。
GRANA (2016.5)
以前、HPやブログでLos Costureroの素晴らしいアルバム「costurero」を紹介しました。このアルバムはジャケットの色が3種類あるのですが、僕の買ったCDは小豆色でした。この世界観を自分なりに表現してみたくなり一気に書き上げました。小豆色の相当するスペイン語としてふさわしいかどうか自信ありませんが深紅/臙脂(えんじ)色の「grana」をタイトルにしました。ポルトガル語ではお金という意味もあるそうです。当時よく活動していたmúsica das montanhasというユニットで一緒のスズキミカコさんに聞いて貰ったところ、granaの世界観が広がる素晴らしい歌詞を書いてくれました。唄の音源をちゃんと残せていないのが心残りなのですが、2017年に相模原のエルトピートというライヴハウスで演奏したときの映像がYouTubeに公開されています(4曲演奏しているのですが、2曲目になります)。その後、22年間のブラジル・サンパウロ生活から帰日した青木 ノゲイラ カナさんがこの曲を気に入ってくれて、カナさんの旦那さんで詩人のレオ ノゲイラさんが2019年末に「Presente Eterno」というタイトルで作詞してくれました。メロディーは唄を意識して書いていますが、今回、敢えてソロギターで表現してみました。
https://eiichi-guitarist.jimdofree.com/recommend/argentin/costurero/
https://www.youtube.com/watch?v=5P71Y3jDn0E&t=4s
HANASAKI (2013.5)
1986年から廣木光一さんにギターを師事して、不肖の弟子で恐縮なのですが、当時の兄弟子の一人がタイトルになるHANASAKI氏でした。住んでいるところが離れている為なかなか会うことができないのですが、いつも気に懸けてくれて2009年に僕が1ヶ月近い入院生活を送っていたときに、元気が出るようにとHANASAKI氏は大切な蔵書を送ってくれました。感謝を込めてこの曲を捧げます。
Aire (2017.11)
以前、HPやブログで紹介した素朴で繊細なアンサンブルが素敵なMatereré TRIO。ここでギターを弾いていた故オラシオ・カスティージョの演奏や曲にとても感動しました。オラシオが良く用いるchamaméのリズムを自分なりに解釈して曲を書きました。
https://eiichi-guitarist.jimdofree.com/recommend/argentin/matereré-trio-cuarteto/
果てから (2014.2)
岩佐尚美(vo&bombo)、大竹弘行(cont.b)、秋山映一(acg)のトリオでフォルクローレとジャズとをフューズしたオリジナル音楽を奏でるballadsというユニットのレパートリーとして書いた曲です。この曲は即興的な要素はなく、日本的な素朴なメロディーと繊細な内声の動きが特徴の曲です。
Stay at home in May (2020.5)
2020年は4, 5, 6月とライヴがすべてキャンセルになり、部屋に籠もって練習と録音、そして散歩に勤しんでいました。特に5月のGW期間は天気も良く、新緑に溢れているのに遊びに出られないモヤモヤ、ライヴ演奏できないイライラを抱えながら、自分の音に向き合って作った曲です。ラグタイム調の明るい曲です。
Monochrome-I (2020.4)
モノクロームとは単彩画のこと。I〜IIIは特に連作や組曲的な要素はありません。師匠には自分の言いたいことを文章にまとめる力をつけるように昔から言われ続けていましたが、日々感じたことを文章にするには文章力が足りません。前掲のballadsの大竹さんは自分の感じたことをブログで表情豊かに記していますが、とても僕にはできそうもありません。代わりに普段から五線譜ノートを持ち歩くようにして、日記を書くようにそのときそのときに感じた音の断片を書き留めるようにしています。そのときの気分で即興的に書いているので単彩画としました。
Monochrome-II (2008.7)
Monochrome-III (2008.4)
昔のノートをパラパラめくっていて目にとまったものを二つ選びました。上述の通り、日記のようなものでタイトルをつけようもなく(ノートには日付しかない)、単彩画としました。