チリのユニセフの後援で2008年児童週間のイベントの一環として製作された「子供のための南米の子守唄集」とのこと。タイトル「Arrullos」とは「子守唄」、そのまんまですね。
一曲目から、ウルグアイ~アルゼンチン~チリ~キューバ~アルゼンチン(アギーレの曲)~チリ(アンカローラの曲)~チリ~アルゼンチン~アルゼンチン~ベネヅェラ~アルゼンチンと、全11曲の南米各国の曲が唄とピアノだけというシンプルな編成で演奏されています。アンカローラはジャズなども歌うようなのですが、とにかく勢いで押すとか技巧的であるのではなく、表情豊かに時に語りかけるように、時につぶやくように唄います。そしてアギーレのピアノは唄の表情の変化に反応して寄り添うように流れてゆきます。曲間の間も少し長めな気がします。ホントに寝かしつけられてしまいます。一見(一聴)すると地味で眠たい音楽ですが、この何とも慈愛に満ちた音楽に気がつくと心が同化していくのです。一曲目のワクワク感から最後の消え入るようなハミングまで、繰り返し繰り返し聞き続けたいホントに素晴らしいアルバムです。