ブラジルギターの神様
今はすっかり南米音楽、特にブラジルやアルゼンチンのギター音楽の虜になっていますが、そのきっかけは学生の頃通っていた喫茶店のマスターが沢山のラテン 音楽のLPレコードを聴かせてくれたことに始まります。元々ラテン音楽は好きな方であったのですが、ブラジルギターの神様、バーデン・パウエルの「ビリン
バウ」や「ジェット機のサンバ」を初めて聴いたときから、これは他のギターと決定的に違う、と感じました。その後、マスターから譲っていただいた沢山のラ テン音楽のLPレコード、とりわけバーデン・パウエルのレコードは宝物です。オリジナルのままCDで再販されているか知らないので、お薦めのCDで紹介で
きないのが残念です。80年代以降発売されたバーデンのCDもいくつか聴きました。痛々しいほどに鋭い音が飛びだしてきます。その中で、今回ご紹介したい のがこの「O ETERNO BADEN POWELL」(2006)です。2000年バーデンが亡くなる2ヶ月ほど前のライヴ演奏だそうですが、そんなことは微塵も感じさせない素晴らしい音楽世 界を構築しています。脱帽!合掌。
少し古いですが「SERESTA BRASILEIRA」(1992)もご紹介します。バーデンのあの鋭さはここでは隠され、ロマンティックな一面が垣間見れます。アルバム中、 「EURIDICE」というVinicius de Moraes作曲の素敵なワルツがあり、私もライヴで演奏したこともあります。でも最初にレコードで聴いた、確か1967年頃のフランスでの録音の 「EURIDICE」の方が好きですが、あの音源はCDになっているのでしょうか・・・他のBadenのアルバムを聴くとあまりの研ぎすまされた音楽に、自分のギターの鈍さに弾くのが嫌になりますが、「SERESTA BRASILEIRA」を聴いているとギターを触りたくなります。