Shigemitsu Sugiyama, Model EX-66s (1989)

ブラジルはサンパウロでギター製作を続ける杉山重光さんの1989年の作品です。すばらしいギターを製作されているという噂はサンパウロ在住のシンガー・ソング・ライター、青木・ノゲイラ・カナさんから聞いていましたが、常々触ってみたいと思っていました。よく言われる杉山ギターの最大の特徴は「こもらない和音、中音域の明瞭さ、音量に秀でいる」こと。2009年フォルテ楽器さんにあることがわかり、弾いてみてすぐに先に挙げた杉山ギターの特徴を感じることが出来ました。しかし、正直に言って、ポジションによって音がびびる。音ののびが今ひとつ良くない（と言うか、もっと良いはずと思った）。糸巻きからノイズ。と、状態としては納得できないものでした。このときお店のO氏から、「あなたの弾き方が悪い」と本当にそう言われて、僕も「そうか僕が下手だからなんだ」と引き下がって、購入しました。弾き込めば（あるいは腕を上げれば）良くなると信じて、一二度ライヴで使ってみましたが、納得できないまま、その内に押し入れに仕舞ったままとなっていました。

2022年、思い切ってダメ元で島村楽器にメンテナンスに出してみたところ、見違えるほど良くなりました。まさに「こもらない和音、中音域の明瞭さ、音量に秀でいる」ギターでした。

当たり前の話しではありますが、ちゃんと演奏に適したコンディションの楽器を売っている店で買うこと。高い授業料を払って身をもって学びました。

購入店（年）：フォルテ楽器（下北沢, 2009）

（修理：島村楽器町田店、2022）